KAWAI AKIO
  川井昭夫

 茄子が8株、輪になって実をつけている。山奥の私の仕事場の脇の小さな畠で。

 実はこの茄子たちは、マチスの「踊る女」のように隣り合う株同士、手をつないでいるのです。もっと正確には、枝と枝が接合されていて、8株が血の通い合う一体の生命体に成っているということです。

 私は、以前から「意識」について考えて来ましたが。先日インターネットでとても興味深い「意識」についてのメモを発見しました。それは、前田賢一さんの「無限の一つ」という意識に関する仮説(いいえ論理の発見)です。それによると「すべての意識は一つのもの」だと言っておられるのです。私・あなた・犬・鳥・虫‥、個や種を越えて全ての意識が同一のたった一つのものではないかと。

なんとなく解るような。この作品をプランした時の私の潜在的な意識と、どこかで繋がっているように思えるのです。

  

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